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2019年05月10日

音楽家バッハ、名人の心がけ





音楽家バッハの話であります。

バッハはご承知のとおりオルガン音楽に、同時に近代音楽に魂を入れた大物のひとりであります。

十八世紀に生きた人であります。

偉大な音楽家であるというよりも信仰の厚い人であります。

したがって彼の音楽の特徴はどこまでも心に食い入るような魂に食い込むような
そういう特徴の音楽であります。

ただ上手いとか下手だとか、そんな表現ではあらわせない、まったく根本的にそういうものです。

彼は、あるところに書いているのであります。

自分はいつも世界一の音楽家に聴いてもらうつもりで演奏しておる。

その人はそこにはおらないだろうけれども、とにかく私はそのつもりで演奏しておると。

そういうことを書いておるのでありますが、これはなかなか大変な言葉だと思うのであります。


「常に世界一の音楽家に聴いてもらうつもりで演奏をしておる。

たぶんその人はそこにはおらないだろうがそのつもりでおる」。


この言葉は、言葉としては簡単な言葉であります。

しかしいつでもそういうふうに、ただいい加減な小手先でオルガンを弾いておるわけではないのです。

生命がけというと、ちょっとまた本当の意味とは違ってくるのでありますが。

生命がけではありますが、楽しみながら、ひざまづきながら音楽をやっておるのであります。

そういう深い信仰から、オルガン音楽の主なものは、教会のオルガンであります。

日本の教会ではちょっと想像はできません。

外国の教会は大きいですから、大きいものがたくさんあります。

私はそういうところに行って五、六回くらいは聴いておると思うのでありますが、誠にオルガンの響きというのはおおらかで、しかも音がやわらかくて、心に食い入るような感じがするのであります。

そういうことで一生をおくった人であります。


by 平澤興(第16代京都大学総長)




バッハ。

心構えが違いますね。

偉人と凡人の差は志の差。

名人の心がけに触れて熱くなります。

正直世界一の人を相手にしてませんが、目の前の人に楽しんでもらう。喜んでもらう。

これは忘れずにいたいです。





Posted by 和太鼓集団鼓鐵 at 12:39 │Comments(0)
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