鈍刀を磨く
『鈍刀をいくら磨いても
無駄なことだというが
何もそんなことばに
耳を借す必要はない
せっせと磨くのだ
刀は光らないかも知れないが
磨く本人が変わってくる
つまり刀がすまぬすまぬと言いながら
磨く本人を
光るものにしてくれるのだ
そこが甚深微妙(じんじんみみょう)の世界だ
だからせっせと磨くのだ』
by 坂村真民
「甚深微妙」の、「甚深」とは、はなはだ深いことで、
「微妙」とは、極めてこまかいこと。そこに計り知れない大切なことがある。
開経偈(かいきょうげ)というお経の中の言葉です。
試練によって人は磨かれるといいますね。
和太鼓とんとこでは心得に
「技を磨いて心を磨く」と唱えています。
心を磨くためには技を磨かなければなりません。
やはり新しいことや困難な課題に挑戦し、
それを為し得たときに心も磨かれる。
いや、たとえなし得なかったとしても心は磨かれる。
鈍刀は光らずも人は光だす。