ドロボウになった理由
「ドロボウになった理由」というお話です。
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ずっと泥棒人生を送ってきた男がとうとう捕まって刑務所に入った。
そこで、看守が尋ねました。
「どうしてお前は盗みの世界に足を踏み入れたんだい」と。
老いた泥棒がしんみりと語りました。
「小さい頃、そうねえ、まだ三つか四つの頃かな、母親に連れられて市場へ行ったのさ。
果物屋の前を通りかかったとき、なんの気なしに店の棚からリンゴを盗み、ポケットにねじ込んでしまった。
店のおやじには気づかれなかったが、母親は小さな息子の非行をしっかりと見ていた。
俺は、てっきり母親からこっぴどく叱られるものと子ども心に覚悟したが、そうじゃなかった。
母親はしばらく俺を見つめていたが、何事もなかったかのように俺の手を引いて店を立ち去った。
市場でも家に帰ったあとも母親は俺を一切叱らなかった。
そんな小さな事件から俺は悟った。
盗んでも親は叱らない。親は黙認してくれた。盗みは悪いことではない。盗みぐらいたいしたことではない。
それから俺の泥棒人生が始まったのさ」
このときの母親には、リンゴ一個盗んだ程度ならいい、これくらいのことは子どもだから大目に見よう、という甘さがあります。
この甘さは、子どもに対する期待レベルの低さを表しています。
子どもにすれば、どの程度のことなら許されるのか、絶えず親の反応をうかがいながら行動しているのです。
親が自分に対してどれぐらいのレベルを期待しているのかを見定めようとしています。
これは、親(トップ)の誠実さに対する意識が低ければ、子ども(社員)もまた、誠実さに対する意識が低い基準のままでしか育たないということです。
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「やる!」
唐池恒二 著
かんき出版
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かつひとです。
何事もほんの些細なことを大事にするか
服のほころびも小さなところから広がる
まぁ、こんなくらいという油断が大きな事故になる
すべて起こってしまったことには良いことにも悪いことにも原因がある。
大きな原因もあれば、小さすぎてそれが原因?と気づかないことまで。
小さなことを大事にできるか。
見過ごしたことがあとあと取り返しのつかないことに。
予兆はあるのですね。
小さなことに。
小さなことに気づけるか
小さなことを大事にできるか?
大事とは
おおごと
と書きますが
小さなことこそ
大事なのかもしれませんね。
もとは小さな歪みからきているのだろうしね。
写真は北海道
ひとつひとつの小さな花の集まりが綺麗なラベンダー畑を作っていました。